僧侶の小池龍之介さんが仏教の教えをベースにしたストレス回避の働き方を紹介された本です。
タイトルの「煩悩」には「ストレス」とルビが振られているのですが、小池さんはストレスのほとんどは「煩悩」に起因するものだと指摘されておられて、特に自尊心というか虚栄心というか、自分が軽く見られていると感じることに反発する思いがストレスを生み出すことが多いということで、仏教の教えから、そういう感じ方を避ける方法を紹介されています。
「煩悩」というと108種類のモノがあると言われますが、小池さんによると、それは後々、仏教を小難しくしようとした僧侶たちが付け加えたモノで、元々14種類程度しかなかったということで、それもさらに突き詰めると「欲望・怒り・迷い」に収斂されるということで、それらにフォーカスして「煩悩」の出現を防いで、目の前のことに「没頭」することが重要だとおっしゃいます。
そのための方法論として紹介されているのが、
「諸行無常」:この一瞬一瞬の変化へと意識のセンサーを向けること
「一切行苦」:苦しみ・ストレスの性質を徹底的に洞察して、乗り越えてしまうこと
「諸法無我」:「ジブン」という幻想を突破して没頭していること
ということなんだそうです。
小池さんがおっしゃるこういう「無」の状態に到達するのは、そうそうカンタンなことではなさそうですが、こういう方法論を意識しておくだけでも多少の救いになるのかも知れませんし、この本を読んで仏教的なモノの考え方に俄然興味がわいてきたワタクシでありました!