タイトルを見ると黒川伊保子さんの『妻のトリセツ』を始めとする、男女の脳の性差に関する本を思い出しますが、この本は黒川さんの諸作とは異なって、ある程度シリアスなトーンのモノとなっています。
この本は、家族問題のカウンセラーとして活躍されている方の著書で、男女の思考の差だけではなく、育ってきた環境などに根ざす差異なども含めて、夫婦間に軋轢をもたらす要素を詳細に指摘されています。
ダンナさんのLINEのメッセージに奥さんがイラッとするのは、まあその表れと言えるのですが、大きな原因の一つとして指摘されているのが、ダンナさんと奥さんがお互いに求めることの差異があるとおっしゃっているのですが、具体的に求めることは異なっているものの、双方ともご自身のお母さんの役割と求めているということです。
じゃあなぜそこに「差異」が出てくるかということなのですが、ダンナさんの方が自分のお母さんに、食事や洗濯など自分の生活を”整えて”もらって、あとは自由に放って置いてもらうことを求めているのに対し、奥さんの方は、お母さんさんに何かと「かまって」もらうことを求めているということです。
ダンナさんは自分が望むように、奥さんを自由にさせているのですが、奥さんはそのことがダンナさんに「かまって」もらえていないということで不満を感じて、段々と不和が深まってしまうようです。
そういって夫婦仲が悪くなっていくと子供のメンタルにもかなり深刻な悪影響を及ぼしてしまうということで、カンタンに離婚という決断は避けたいところなんですが、やはりそのためには徐々にコミュニケーションを回復していく必要があるということで、やはりそのためには相手の思うところを「尊重」するということのようです。
ワタクシも知らぬ間に奥さまの地雷を踏んでいないかということで、ドキドキしながらこの本を読んでいたのですが、やはりそういう風な振り返りと時折しなくてはいけないということですかね…