先日紹介した『池上彰のよくわかる世界の宗教 仏教』が、端的にポイントとなることをコンパクトにまとめられていたのに感心したのですが、『池上彰のよくわかる世界の宗教』というシリーズになっているので、キリスト教編を手に取ってみました。
こちらはキリスト教の起源ということでユダヤ教から、預言者イエス・キリストが出現してキリスト教ということで分岐し、その後世界宗教として広がっていく経緯などを紹介されているとともに、関連の深いユダヤ教やイスラム教との関連、儀式などの信仰の在り方などに触れられています。
ただ、仏教編では割と基本的な考え方をみっちり紹介されていたのですが、キリスト教編ではそういった教義みたいな内容への言及はサラッとした感じで少ない印象でした。
一応、日本で最大の信者数を持つ仏教の教義をみっちり解説して、キリスト教のそういう部分への言及が少ないのが不思議な気はしますが、どっちかっていうと最近の日本人はキリスト教的なモノの考え方に馴染む人の方が多いのかも知れません。
十字軍の遠征に伴うイスラム世界との闘いや、宗教改革、イギリス国教会の出現など、かなり様々に分化していく過程を紹介されていて、20億人という世界最大の信者を持つ宗教になった所以に、柔軟に地元の宗教との融合を図っていった様子が伺えます。
まぁ、キリスト教はあまりにも論点が多いので、なかなか割り切った物言いがしにくい部分はあるのかも知れませんが、コンパクトに知りたいことがまとまっているという意味では仏教編程ではありませんでした。