池上彰のよくわかる世界の宗教 イスラム教

 

池上彰のよくわかる世界の宗教 イスラム教

池上彰のよくわかる世界の宗教 イスラム教

  • 作者:池上 彰
  • 発売日: 2016/11/30
  • メディア: 単行本
 

 

 『仏教』編、『キリスト教』編と紹介してきた『池上彰のよくわかる世界の宗教』ですが、本日は『イスラム教』編を手に取ってみました。

 

 ひと頃、イスラム教のことが知りたくて色々と手に取ってみましたが、やっぱり児童書というか中学生くらいをターゲットにした入門書だと、情報の取捨選択がよく練られていますし、書き手が池上さんということもあって、非常に理解しやすいモノでした。

 

 どうしても日本にいると、アメリカを始めとする西欧キリスト教国からの視点でイスラム教を見てしまいがちですし、昨今ではイスラム原理主義者たちの過激な行動ばかりがクローズアップされてしまうことから、イスラム教に対して、かなり懐疑的な見方をする日本人が少なくないように思えますが、そういう方々に是非ともこういうベーシックな知識を持って、イスラム世界のことを見てほしい気がします。

 

 元々、イスラム教はユダヤ教から分化した宗教だということもあって、ユダヤ教キリスト教と同一の神をあがめるもので、イスラム教の教義では、開祖である預言者ムハンマドとともに、イエス・キリストのことも預言者として認めているということですし、イスラム教の考えの下にある国家であっても、必ずしもイスラム教を強いられることが無いという融和的な面を持つようです。

 

 ただやっぱり十字軍に始まって、イスラエルを焚き付けるところまで、西欧諸国がかなりイスラム世界にチャチャを入れてきたことが西欧と中東との軋轢になったことは否めないようで、そういうところもちゃんと直視すべきなんでしょうね…

 

 あまりに生活様式が違うところと、ISを始めとする過激派が認識をゆがめているところは多分にあるんでしょうけど、そういうところも含めてプレーンな視点でムスリムを見たいところですね!?