突撃!オトナの大学院/森井ユカ

 

 

 イラストレーターやキャラクターのデザインなどをされている方が40歳代に差し掛かって一念発起し、大学院に行くことにされた際の体験を描いた本です。

 

 ご自身でデザイン事務所を営みながら、ご自身もデザイナーとしての仕事をされていたということなのですが、日々仕事に追われてアイデアを次々と紡ぎ出して行っていたということで、40歳代に差し掛かって何か自分が「カラッポ」になってしまってように感じられて、そのまま仕事を続けていく自信を無くしてしまったような状態になられたようです。

 

 そんな中で事態を打開する手段として大学院に行くという決意をされたということなのですが、芸術系の大学院への進学ということでなかなかの学費が必要だということでその金策や、大学院受験に向けた準備などが語られているのですが、著者の森井さんが専門学校卒だということで、大卒を経ずに大学院を受験する手段についても紹介されており、同様の境遇にある人にとっても役立ちますし、勇気づけられるところかもしれません。

 

 また金策については、政府系金融機関での融資を引き出すことにトライされており、おカネの面で諦めてしまう人に取っても有用な情報だと思えます。

 

 何よりもご自身のキャリアに近い所での学びということなのですが、思わぬ科目の履修なども相まって、相当な刺激になるということと、やはり自分より20歳程度若い人との交流は相当楽しかったようで、ちょっとそういうことも考えてみたいなと思わされます。

 

 人生100年時代ということが言われていて、一つの会社でリタイアまで過ごしてあとは余生というライフデザインが難しくなっている昨今、リンダ・グラットンさんが『LIFE SHIFT』でおっしゃられていたように、キャリアの狭間にこういった感じで大学院に行くことがフツーのことになるかも知れないので、マンガも交えて大変読みやすいので参考にされては如何でしょうか!?