勝つ、スポーツサイエンス/田中誠一

 

 

 この方、2019年に叙勲をされている位の方で、日本のスポーツ界に科学的なトレーニングを導入した時期から関わられている重鎮だということで、長嶋茂雄さんや、ハンマー投げの室伏選手(おとーさんの方です。)、ボクシングの井岡弘樹選手など、名だたる選手たちの強化に加わって来たというスゴイ方らしいです。

 

 1964年の東京オリンピックの時期には相当な立場だったようで、そういうことにも触れられているとのことで、ソ連や東欧祖国のステート・アマチュアたちや、それに対抗するアメリカのスポーツ界の科学的要素の導入を横目で見ながら、根性論がはびこる日本のスポーツ界に科学的要素を取り込もうとされて来られたようです。

 

ですが、いかんせん「スポーツサイエンス」と銘打って置きながら、指導の内容のサイエンス的な要素がほとんどと言っていいほど見られず、有名選手の人となりや交流で、まあ、それはそれで意義があるのかも知れませんが、さすがにバカバカしくなって、途中からはザッと流してしまいました。

 

 戦後のスポーツ界に興味があって、おじーちゃんの自慢話にニコニコ付き合える優しい方は手に取られてもいいかも知れません。