知識ゼロからのオリンピック観戦入門/生島淳

 

 

 紆余曲折がありながらも、どうやら一年遅れで開催することになりそうな東京オリンピックですが、その観戦ガイドとも言える本です。

 

 この本、本来オリンピックが開催されるはずだった2020年の2月に出版されたということで、おそらく執筆されている時はコロナ禍のことなんてアタマになかったでしょうし、出版された時期もビミョーに他人事だった時期なので、まさかこんなことになっているとは夢にも思わなかったでしょうということで、経済効果ん兆円とかって今となっては悲しくなるようなことだったり、サンドバックになってしまったPVのことなども紹介されていたりして、たった一年半でここまで劇的にコトが変わってしまう状況に、改めてビミョーにショックを受けてしまったりします。

 

 この本は、「知識ゼロ」でもそれなりに感染が楽しめるためのガイドということで、オリンピック全33競技、パラリンピック全22競技をくまなく紹介するということで、陸上競技や水泳などのやたらと種目数の多い競技であっても、さらには競技のメジャー、マイナー関わりなく、1競技当たりMax4ページしか紙幅が無いという、なかなか荒唐無稽な企画に思えますが、そういうチャレンジをされています。

 

 どの競技でも「知識ゼロ」からということなので、サッカーや野球などのメジャーな競技のルール説明とかバカバカしい気もしますが、マイナーな競技の概要説明は非常にありがたく、特に日本人がそれなりに活躍していながらもオリンピックでしか注目されない競技に関する情報は、極めてコンパクトにまとまっていて非常にありがたいところです。

 

 また、意外と馴染みがある思っている競技でも知らないことが多いんだなぁということも多くて、バレーボールのポジションってこういう考え方だったのね!?とか、水泳の中にマラソンスイミングなんて種目があったのね!?とか、かなりいろんな発見があります。

 

 不本意ながら、単純に楽しむにはあまりにも余計な要素が絡み過ぎた東京オリンピックですが、開催されるのであればおとなしくテレビ観戦で応援しましょう!