がまんしない/鎌田實

 

 

 鎌田先生のいつものようなエッセイで、結構ヘビーな病を得ながら前向きに生きて行く人たちのことを中心に取り上げているのですが、この本では、そういう人たちの在り方が、実は科学的にも証明できるということを盛り込まれた内容となっています。

 

 普段の生活習慣を脳内物質の分泌を促すようなモノにすることで精神疾患を回避するようにすることを奨励した樺沢紫苑さんの『精神科医が見つけた3つの幸福』を先日紹介しましたが、そういう姿勢というのは精神疾患のみならず、ガンなどの深刻な疾患についても延命などの目覚ましい効用があったことを紹介されています。

 

 モチロン、ある程度の成功を収めた人は例外なにガンバっていることは間違いないのですが、それでも成功し続けようと思ったらひたすらガンバリ続けること自体は不可能で、特に、楽観的な姿勢で積極的に笑うことやリラックスすることで、普段頑張り過ぎてネガティブな影響のある脳内物質を分泌している状況を中和もしくはそれ以上によい脳内物質を分泌させることの重要性を指摘されています。

 

 そんな中で、積極的に人生を楽しもうとすることで自分を幸せにするといわれるホルモンであるセロトニンの分泌を促したり、周囲の人との交流を積極的に持つことでオキシトシンの分泌を促すこと、またガンバっていることで緊張状態が続いている場合は、のんびり副交感神経が優位になる状況を作ることが重要だとおっしゃいます。

 

 ということで、多くの日本人はもうちょっとゆったり構えて人生を楽しもうとする姿勢が必要なんでしょうね!?