このブログでは結構「孤独」をテーマにした本を取り上げていたのですが、以前五木寛之さんの『孤独のすすめ』や下重暁子さんの『極上の孤独』など、割と高齢層をターゲットにした「孤独」も悪くないよ、みたな感じの本が多かったのですが、今回の本はおそらく大学生くらいの年代をターゲットにした、かなり攻めたモノとなっています。
齋藤センセイ自身も、かなり尖った感じで「孤独」だったということをこの本の冒頭部分で紹介されていますが、群れていては自己の成長につながらないということで、周囲を弾いて敢えて「孤独」の状況を作っていたということで、自己の陶冶に努められていたそうです。
後半では文学者を中心に、自己を高めていった偉人たちを紹介されていて、種田山頭火や太宰治、中原中也などを紹介されています。
日本でも元々隠遁する人たちがいたりと、孤独を求める向きもあったのですが、昨今は過度に孤独を避けようとする傾向が強いことを指摘されていて、それはそれでコミュニケーションなどの良い面もあるのはあるのですが、特に芸術の面を中心に「孤独」でなければ突き詰められない世界もあり、「孤独」にならなくてはならない側面があり、若いうちにそういう”覚悟”についても考えておかなくてはいけないと強調されています。
ハブられるのを恐れるがあまり、ただたらダラダラとつるむだけでは何も生まれることはなく、何かをしようとする”野心”がある向きには、こういうことをアタマに入れておいた方がいいのかもしれません。