又吉直樹のヘウレーカ!

 

 

 NHK Eテレで放送している「言われてみればどうして?」という暮らしに潜むフシギを見つけ出しひも解く教養バラエティである『又吉直樹のヘウレーカ!』の放送がベースになった本です。

 

 「ヘウレーカ!」というのは“わかった”“発見した”という意味で古代ギリシャの科学者、アルキメデスが「アルキメデスの原理」を発見したときに、嬉しさのあまり裸で「ヘウレーカ!」と叫びながら街中を走った、という故事にちなんで名付けられた番組名だということで、同じNHKが放送している『チコちゃんに叱られる!』と似た感じはありますが、もうちょっとアカデミックでサイエンス寄りの内容と言った感じの番組のようです。

 

 そんな中でこの本では、「なぜ植物は”スキマ”に生えるのか?」とか「”ホントに鳥はは飛びたいのか?」という、又吉さんをMCに迎えているだけのことはあって、ビミョーに哲学的なテーマであるところも気になるところです。

 

 特に印象深かったのが「”男はつらい”ってホント?」というパートで、動物の性差と、その役割の生物学的な意義について語られているのですが、オトコとしてふるまうことのツラさについて語られていて、そういう部分って、人間だけじゃないんだなぁ…と感心させられます。

 

 こういう風にサイエンスを哲学的に語るというのがなかなか深遠なモノがあって、普段あまり積極的に科学モノに手を出さないワタクシにも楽しめる内容でした。