知的戦闘力を高める独学の技法/山口周

 

 

 昨日に引き続き『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』で話題を呼んだ山口周さんの著書なのですが、昨日紹介した『読書を仕事につなげる技術』は今日紹介するこの本のサブシステムと位置付けられるようで、この本を先に読んだ方がよかったのかも知れません…こういうの多いですよね、このブログ…(涙)

 

 ということで、かなりの部分が『読書を仕事につなげる技術』と被ってはいるのですが、「独学」のシステムの全体像が紹介されます。

 

 その「システム」というのが、

  ・戦略

  ・インプット

  ・抽象化・構造化

  ・ストック

の4段階で構成されます。

 

 特に山口さんが紹介するこのシステムで重要なのは「抽象化・構造化」なのですが、読書などのインプットで得た情報を自分が直面する課題に応用する上では、そのままピッタリ当てはまることなんてまずないので、様々な局面に適用できるような抽象化が必要なんだということですが、そのためには場数が必要なんだということです。

 

 これまで紹介した山口さんの著書でもリベラルアーツをビジネスに活用することを再三強調されていますが、この本で奨められている分野には、音楽や詩まで含まれているのが印象的なのですが、例えば詩は、レトリックなど短い文章で大きなインパクトを与える技法がビジネス上の説得などに活かせるということです。

 

 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』でブレイクしただけに、感覚重視の印象が強い山口さんなのですが、その「感覚」というのが、こういう膨大なインプットに支えられることで、不確実性が高くなった昨今のビジネス環境の中で、なかなか「論理」で対応しにくい課題に対しても的確に対応できるようになる武器になるのかも知れません。