スマホ脳/アンデシュ・ハンセン

 

 

 かなり長期間本屋さんで平積みになっていて気になっていた本をようやく手に取りましたが、思っていたよりもずっと衝撃的な内容でした。

 

 スマホの弊害についてはいろいろと言われていますし、実際ウチのムスメたちもかなり長時間スマホを触っているので、それなりに弊害はあるんだろうなぁ、とは思っていましたし、iPhoneの生みの親であるスティーブ・ジョブスは14歳になるまで子どもにスマホを与えず、与えてからも使用時間をキビシく制限していたというエピソードもアリ、スウェーデン精神科医である作者のハンセンさんが、脳科学や人間の進化論といった見地からその悪影響を指摘されています。

 

 そもそもスマホを使用することで、脳はドーパミンという報酬系の脳内物質を出すのですが、同様にドーパミンを分泌させる要因として、お酒やドラッグ、セックスといったモノがあり、要は中毒や依存症といった状況を作り出しかねないようなモノであり、スマホも依存症的な状況を引き起こす可能性が高いということです。

 

 しかも多くの人がスマホでSNSを使用しており、そこで求める承認欲求がよりスマホ依存を加速させてしまうということです。

 

 そういう依存が強くなると、勉強や仕事などの集中すべきモノがある場合に、常にスマホが集中への阻害要因となってしまい、スマホを使わないようにすること自体でかなり脳のリソースを使ってしまい、それがまた集中の阻害に拍車をかけて、そういう負のスパイラルがストレス要因になってしまうということで、かなり恐ろしい状況が見受けられるようです。

 

 しかも、ドーパミンの分泌量が多く、自己抑制が比較的低いと思われる若年層がスマホを持ってしまうと、上記のような依存スパイラルに陥る可能性が相当高くなってしまうということで、近年スマホ使用に伴う精神的な疾患で精神科医を受診するティーンエージャーがここ10年で倍増しているという統計を紹介されており、お酒やタバコ同様スマホの使用を積極的に制限する必要性にまで言及されています。

 

 解決策として、スマホと適度な距離を置くことと、定期的な運動をすることで心拍数を挙げることが深刻な依存への対策になりうるとはおっしゃられていますが、スマホ依存にそれほどの問題を感じていない人にとっては、そういうことへの動機づけが難しいんじゃないかと感じる部分もあり、当面重大な社会問題になりうるような気がして、空恐ろしくなった次第でした。