池上彰のニュースの学校/池上彰

 

 

 これまでも手を変え品を変え、池上さんのニュースの活用法に関する本が出ていますし、このブログでも何冊かは紹介してきていますが、個人的にはこの本が一番クオリティが高く、実用的な内容なのではないかと思います。

 

 昨今は新聞を読む人が少なくなっていて、ワタクシ自身もエラそうなことは言えなくて、久しく新聞を読んでいないのですが、池上さんは再三新聞購読のメリットを強調されてきていますが、この本を読んでようやくナットクできた次第です。

 

  ただ、日本人全体としてニュースに対するリテラシが下がっていることも指摘しておられて、新聞に書かれていることをある程度以上、正確に読み取れている人が実は少ないのではないかと指摘されています。

 

 「正確に読み取れて」という内容に解釈の余地があるのですが、少なくとも語義の面でも、言われてみれば不安を覚えるところもありますし、多少は背景が読めないと「ふーん」で終わってしまって、そのニュースがもたらす影響が及ぶ範囲が見通せないことが多いような気はしていて、ある程度ニュースを理解するための素養をつけるための方法論についても紹介されています。

 

 ただ、リテラシが下がっているのは読み手側だけでは無いようで、かなり読みにくいというか、相当読み込まないとストレートには言っていることが理解しにくい記事も散見されるそうで、それも新聞社ごとにレベル差もあるようで、新聞社ごとの意見の差異もあることながら、そういう書きっぷりの差もあって、複数の新聞を読み込まないとある特定のニュースのアウトラインをつかむことすら難しいケースもあるようです。

 

 巻末には、今や数多くの共著をモノにしている盟友”知の怪人”佐藤優さんとの対談もあって、さらにハイレベルな、プロの情報収集~活用術にも触れられていて興味が尽きません。

 

 とはいうのものの、今更新聞を読もうとは思えないんですよねぇ…