10年後破綻する人、幸福な人/荻原博子

 

 

 家計への提言などをテーマとした著作で知られる方が、リタイアを控えた人をターゲットにした著書です。

 

 この本は2016年に出版された本で、2026年時点でリタイア後の生活を送られている人をメインターゲットとされている内容なのですが、タイトルだけ見ると老後に向けた対策みたいな内容を想像するのですが、割と経済や年金などの我々を取り巻く状況に終始していて、こうすれば老後のおカネは安心!みたいな内容を期待する向きには、全くといってもいいほど期待外れで、そういう部分については著者というよりも編集者や出版社にせ金があるのかも知れませんが、こういう売らんかなで、カンバンに偽りアリみたいなモノは厳に慎んでほしいところです。(こういうところも、出版不況の遠因のひとつだとワタクシは思うのですが…)

 

 介護や年金、マンション、投資といったリタイア世代にも関連の強いテーマが扱われてはいるのですが、あくまでも概況の紹介に終始しているように思えて、それが個々人にどう影響して、どう乗り切っていくのか、ということがタイトルからすると触れられているべきだと思うのですが、あまりそういう内容は希薄です。

 

 まあ、そういう内容だとバレるとそれ程売れないので…ということなのかも知れませんが、ワタクシは古本屋で100円で買ったので、被害はそれほどでもありませんが、定価で買ってたら激怒モノです…