内村光良リーダー論/畑中翔太

 

 

 テレビのバラエティ番組を多く手掛けられている博報堂のディレクターの方が、内村光良さんについてリーダーとしての側面から語られた本です。

 

 内村さんは多くのレギュラーの冠番組をお持ちなだけでなく、ここ数年連続で紅白歌合戦の司会を務められるなど、日本を代表する芸能人のおひとりだと思うのですが、これだけの成功を収められている秘訣を、リーダーとしての資質から語られています。

 

 まあ、あれだけの成果を収められているワケですが、「大御所」といっても差し支えないのですが、内村さんはそういう大物感を全くと言っていいほど感じさせないということなのですが、そういうところを有望な若手芸人やスタッフが慕っておられるようです。

 

 「大物感がない」というところにはいくつかの要素があって、まず1つめは、あれだけの成果を収めているにもかかわらず、相変わらず、スタッフや出演者の誰よりも「汗をか」かれているということで、あれだけの大物が骨惜しみをせずにガンバっていたら、そりゃ周りは手を抜けないですよねぇ…でも、だからといって「俺についてこい!」というワケでもないようで、自然に内村さんについて行こうとガンバってしまうようです。

 

 2つめの要素としては、相手の立場に分け隔てなく接しておられるということで、番組の構成などを若手のスタッフにも意見を求めたりするそうで、あんな大物にそれだけ尊重されたら、そりゃヤル気出ますよね…あ、そういう時内村さんは、ちゃんと名前を憶えて、名前で呼んでいるようで、そういうのも染みますよね!?

 

 また、内村さん自身が、如何にいいモノを作るかということを、ご自身が楽しんで取り組まれているということで、それに周囲が巻き込まれて、一緒になって盛り上がって前向きにいいモノを作ろうという空気が醸成されているようです。

 

 という感じで、手放しで礼賛されているという感じなのですが、ワタクシも結構いろいろと内村さんの番組を見ていて、そういう礼賛が大げさだとは感じないところがスゴイところで、令和の新たなリーダー像だとおっしゃられているところもナットクなのですが、こういうリーダー像ってそうカンタンにはマネできないですよねぇ…