若者たちのニューノーマル/牛窪恵

 

 

 若い世代の消費トレンドについて多くの著作があり、「親ラブ族」などのコトバを生んだことでも知られるマーケティングライターの牛窪恵さんが、コロナ禍における「Z世代」と言われる昨今の大学生の生態を物語仕立てで紹介された本です。

 

 アラフィフの会社員が映画『転校生』や『君の名は』のように、自分の息子と入れ替わってしまって、Z世代としての生活を体験した様子を紹介する形を取って、牛窪さん自身がコロナ禍で実施した取材やインタビューを通じてZ世代の考え方や嗜好を紹介されています。

 

 その少し上の「さとり世代」が、かなり内向きの仲間内志向だったのと比較すると、Z世代はかなり社会性があるようで、それなりに積極的に会社の行事などへの参加の意図も示しているのが多少意外ではありましたが、その「意図」というのはあくまでも自分にプラスになる範囲で、ということのようで、かなり割り切った関係性を志向しているところがあって、我々以上の世代からすると二面的にも見えてしまう所もあり、50歳から21歳のカラダになってしまった主人公の戸惑いは同世代であるワタクシにも理解できます。

 

 またさとり世代同様、仲間内のつながりは重視するものの、あまり深い関係になり過ぎて傷付け合ってしまうことを警戒しており、あまり踏み込まず、適度な距離感をもった関係であるのは、如何にも…という気がします。

 

 ただ、かなり社会のおける自身の役割というものを強く意識しているのが印象的で、いささか繊細過ぎるきらいはあるものの、ナチュラルにこういう高い意識を持った世代が次世代を担うと思うと、ちょっと楽しみな気がしました。