こわせない壁はない/鎌田實

 

 

 昨日に引き続き鎌田センセイの著書です。

 

 冒頭で鎌田センセイご自身が48歳の時にパニック障害になられたのをキッカケに、ガンバりすぎないライフスタイルを取り入れて、その時点でご自身を取り巻いていた様々な危機を脱したことを紹介されていて、リラックスして生きることで人生を充実させる秘訣を紹介されています。

 

 誰しもある時期、シャカリキになってガンバる時期というのは重要なんじゃないかと思いますが、そういう姿勢というのはどうしても周囲との軋轢を生む可能性が高く、一時期大きな成果を得たとしても、究極的なシアワセにはつながらないんじゃないかと示唆されているように思えます。

 

 やはり周囲との調和というものを考えた上で、目標に向かってチカラを入れるべきところはチカラを入れて、他方でリラックスするべきところはリラックスをして周囲とのコミュニケーションを取ってというバランスを取ったライフスタイルというモノが、ある程度の成果と、人生の充実という意味では理想的なカタチなのではないかという気がします。

 

 高度経済成長期においては「成功」のカタチが類型化されてしまっていた気がしますが、今やそういう誰もがナットクするようなモデルケースが見出しにくい中で、自分らしさを求めるには、ある程度肩のチカラを抜いたスタイルというのが必要なのかも知れません。