今やる人になる40の習慣/林修

 

 

 「いつやるか?今でしょ!」の決めゼリフでブレイクしたのが2009年ということで、それ以来早くも13年ということで、すっかり決めゼリフの代名詞が必要なくなった林センセイのブレイクから少し経った2013年出版の著書です。

 

 ちなみにこの本は決めゼリフまんまの2012年出版の『いつやるか?今でしょ!』の続編という位置付けなんだそうですが、正編が林センセイのバイオグラフ的な著書の意味合いもあったのに対して、この本は林センセイが「今やる」人になった秘訣を明かす自己啓発書的なモノになっています。

 

 予備校のCMでのブレイク以後テレビの世界に進出するにあたり、競馬など、ご自身が興味のある分野でのオファーがあるようにかなり戦略的に取組んでこられたとのことですが、そういうチャンスをつかむために、いつそういうオファーがあってもいいように、様々な可能性を想定した上で周到に準備をされてきたようで、そういうご経験を踏まえた「40の習慣」のようです。

 

 こういう本にありがちな「どこかでみたような」トピックはモチロン40の習慣のうちにいくつかはあるのですが、ご自身曰く「空白の3年間」の挫折があったからか、この頃はかなり切迫感のある語り口もあって、それぞれの「習慣」に迫力を感じさせます。

 

 なかなかマネはしにくいですが、自分が作業をするデスクをToDoを張り巡らしたダッシュボードにして、何らかの動きがあればすぐに判断できるようにされていたりとか、個人的に一番印象的だったのが、よく言われる5W1Hで考える際に、例えばいつやる?とフツーの人が考えるところを5W1Hを入れ替えて考えるという習慣を身に付けることで、すぐにおカネに物を言わせてやるといった考え方をするようにされているということを紹介されていて、そういうのはいつもある程度の切迫感をもって目の前の課題に取組んでおられたからこそなんだろうなあ、と感じます。

 

 今や、ある種のエスタブリッシュメントとも言える林センセイなんで、この頃程こういう習慣を重要視されていないのかも知れませんが、ある時期こういうガツガツした姿勢で取り組むことは、ある程度の”成功”を収める上で必須なのかも知れません…