10歳からの伝える力/齋藤孝

 

 

 齋藤センセイが小学校高学年の生徒たちをターゲットにして語られる「話し方」についてのノウハウ本です。

 

 最近、割と手を上げて応えようとする子供たちが減ってきているようで、これについてどう思う?とセンセイが聞いても「別に…」みたいなリアクションの子どもが少なからずいるようです。

 

 この本では、小学校を舞台にしたマンガのストーリーを交えて、授業参観での発表というカタチでの「伝え方」のノウハウを伝授するといった舞台設定になっていますが、こういうプレゼン的な「伝え方」の型を身に付けておいて、それを通常の会話でも応用するようにしておけば、かなり伝わりやすいモノになるということを説かれています。

 

 例えば、主要な論点を3つ用意しておくといったハナシの型を持っておくとか、普段からニュースとか目の前のことについていろいろ考えをめぐらしておくとか、実際に何かの発表をする前にはリハーサルと言っては大げさですが、練習をしておくとかといったように、それなりのトレーニングを積んでおくことで、発表に対する苦手意識もなくなり、成功体験を積み重ねることにより次第に伝えることが楽しくなって行くということを目標とされているようです。

 

 そういう過程をより加速させるのが、やはり読書だということで、読書によって周辺の知識をどんどん増やして置いたり、本に書かれていることについて考えてみることで、「伝える」ためのバックグラウンドをより分厚くしておいて、「伝える力」に重みを加えるということを勧められています。

 

 確かにこの年代からこういうトレーニングをしておけば、将来ビジネスをする上で、相当なアドバンテージになるはずで、ヘタに英語をするよりより実践的だと思うのですが…