先日紹介した『「いい質問」が人を動かす』があまりに素晴らしかったので、別の著書はないかと思って探してみると、こういう本があったので手に取ってみました。
言ってみれば、質問は交渉の中で有利にコトを進めるためのサブシステムとも言え、『「いい質問」が人を動かす』の中でも交渉全体についてことに言及されていましたが、この本では「質問」に限らず、谷原さんが弁護士として磨いてこられた交渉のワザを語られた内容となっています。
『「いい質問」が人を動かす』の中でも、いかにキモチよく質問に答えてもらうかによって、相手が自分の思ったような方向の行動をとってくれる可能性が高まるということを繰り返し強調されていましたが、特に交渉においては全体を通して相手をよく見て、相手が求めているものを見据えた上で、自分が持っていきたい方向に、どういうアプローチをすれば、相手が動いてくれるのかということを徹底して指摘されています。
そんな中で、交渉相手のタイプを、
・損得タイプ
・成功追及タイプ
・快楽追及タイプ
・平和主義タイプ
・ロジカルタイプ
・勝敗タイプ
・人助けタイプ
という7つの類型にカテゴライズして、それぞれのタイプの”攻め方”を紹介されています。
ただ、一見してこういうタイポロジーに当てはまりそうな人もいなくはないのですが、大体の傾向をアタマに入れておいて、どれかに当てはまりそうかどうかという観点で見て見るだけでも、攻め方の糸口をつかむのに役に立ちそうです。
サブタイトルに「日本一敵が少ない弁護士」と自称されていますが、仮に裁判とかで谷原さんに負かされたとしても、何かいいキブンにさせられそうで、後で考えて地団駄踏ませたりしてそうで、そういう風に相手のニーズを見極めることが対人的に最重要であることを改めて認識させられる本です。