パパイズム/鈴木光司

 

 

 かなり以前にこのブログで鈴木光司さんの『なぜ勉強するのか?』を紹介しましたが、個人的には未だに既読の教育論についての本では最高峰だと思っていて、さらにはお嬢さんとの共著『野人力』も非常に魅力的だったので、鈴木さんが子育て論についての著書があると知って、飛びついた次第です。

 

 昨今、イクメンというコトバが取り沙汰されるようになり、ワタクシの時代と比べると比較にならないくらいおとーさん方が積極的に子育てに取組むようになっているようですが、それでもなかなかおかーさん方の負担は減らないようで、鈴木さんはもっと本質的なところで、自分事としての子育てに取組むことをこの本で語られています。

 

 鈴木さんは長女が生まれた時にはまだ、小説家として何も成し遂げていない状況で、奥さまの収入に依存せざるを得ないことから、主体的に子育てをされていたということです。

 

 そんな中で、まだ時期的におとーさんが保育園の送り迎えをするのに、多少奇異の目が向けられるようなこともあったようで、そういうこともおとーさんが子育てに取組む障害になりかねないところですが、でもホントに子どもに頼られる体験をすれば、そんなことなんて全く気にならなくなるとおっしゃっておられて、多くのなんちゃってイクメンは、そういう体験をしていないからこそ、腰掛的なアプローチになってしまうんじゃないか、とおっしゃっておられます。

 

 結局子育ても必死になってやらなければ、リターンも無いんじゃないかということで、何事もつぎ込んだ熱量次第のようです…