京大芸人ノート/ロザン

 

 

 高学歴芸人として知られ、芸能人のクイズ番組でよく見かける京大卒の宇治原さんは知っていたのですが、相方が菅さんというのをこの本で初めて知りましたし、相方とは大教大付属天王寺という名門校の同級生で、菅さんも大阪府大卒とのことで、文字通り高学歴コンビということですが、この本ではそういう学校の勉強で培ったスキルを仕事でも活かすノート術を紹介されています。

 

 学生の時はマジメに勉強でノートを取っていた人も、多くは社会人になるとメモ程度は取ることはあるでしょうけど、ちゃんとノートにまとめている人は少ないんじゃないかという指摘をされていて、でも実は自分の考えをノートにまとめておくことがかなりのアドバンテージにつながるということで、ノートの作り方・活用法を紹介されています。

 

 ただ、割とありがちなノート術とは異なり、色ペンを使うとかといった凝ったことをするんじゃなくて、自分の考えをシンプルに書き留めて見返すことができるようにすればいいということで、あまり形式論であれこれいうワケではないのですが、余白を多めにとって、見返した時に追記や考えの変化を書き込めるようにしておいて、後々プレゼンのネタにするなど、色々と使えそうです。

 

 また、4分割して思考のフレームにするとか、同じ案件を、時系列の歴史的思考と論理的な数学的思考を掛け合わせて分析するなど、思考の方法論についても紹介されていて、そういう意味でもかなり斬新で役立つ内容がふんだんに盛り込まれています。

 

 ワタクシが若い頃は、お笑い芸人といえば、どちらかというと才能に頼ったモノだというイメージでしたが、以前紹介したナイツの塙さんによるM-1グランプリへの取組を紹介した『言い訳』でも触れられていたように、かなり緻密な計算に基づいて練り上げられたモノが多いようで、むしろ今後はこういう思考ができないとお笑いも難しそうで、今後お笑い芸人の思考法についての著書が続々と出てくるんじゃないかという気すらします。