ビジネスをつくる仕事/小林敬幸

 

 

 三井物産に勤務しながら、あの出口さんが初代社長を務められたライフネット生命の立ち上げにかかわるなど、社内ベンチャー的な事業を数多く手掛けられたという方がかたる「ビジネスのつくり方」についての本です。

 

 この本では、主に社内ベンチャーとして事業を立ち上げる上でのマインドセットから組織や仕組みづくりを含めて事業を軌道に乗せるまでのプロセスを基礎編~応用編~実践編というカタチで語られています。

 

 小林さんが、一からの企業よりも社内ベンチャーを勧められるのは、おカネ一つ取ってみても、モチロン社内の査定をクリアするのはカンタンではないですが、一からファンドの投資を探すよりも遥かにラクなはずということなど、かなり強力にゲタを履かせてもらえるということで、成功の確率を高める上で利用しない手はないでしょ!?というスタンスのようです。

 

 全体を通して、どこか小林さんのスタンスは軽やかで、如何にしてビジネスのターゲットとなる人々を喜ばせようとか、メリットを届けようといった姿勢が顕著で、何としてでもこれだけの利益を稼がなければ…という目先の稼ぎや自己の利益に汲汲としてしまいがちな通常の起業ともことなるメリットが、社内ベンチャーにはあるのかも知れません。

 

 モチロンこういう事業に関わらせてもらえるだけの能力と努力はあるでしょうし、そういう苦労も垣間見せてはおられますが、とにかく楽しそうなのが印象的で、こういう風なスタンスで仕事に取組めるのが羨ましいと感じさせられました。