ヴィオラ母さん/ヤマザキマリ

 

 

 『テルマエ・ロマエ』で知られる漫画家のヤマザキマリさんは『仕事にしばられない生き方』など自伝的な著書が何冊か合って、このブログでも紹介したのですが、その中でお母さまの存在感というのが一際印象的だったのですが、この本はそのお母さまの生き様にフォーカスを当てたモノとなっています。

 

 ヤマザキマリさんはご自身が生まれてほどなくお父さまと死別されてしまい、その後も再婚したお父さまとも離別されて、お母さまは女手一つで二人の娘さんを育てて行かれることになり、不器用ながらもたくましい子育ての様子が紹介されています。

 

 これまで紹介した自伝的な著書でも再三触れられていてヤマザキマリさんの人格形成に歳代に影響を与えたと思われる、ヤマザキマリさんを14歳にしてヨーロッパへの一人旅に送り出すエピソードでも理解できるように、ご自身が不運に見舞われたこともあり、自立した人生を送れるようにという意図が強く感じられ、ヤマザキマリさん自身もその意図を汲んで力強く生きて行かれます。

 

 最近はどちらかというと過保護と言ったら言い過ぎになるかも知れないのですが、割と何でも親がやってあげることが少なくないんじゃないかと思えて、実はそういうことが長い目で見ると子供たちの生命力を損なっているんじゃないかと言う気もして、なかなか実践はムズカシイでしょうが、こういう子育てもアリなのかも知れません…