不良という矜持/下重暁子

 

 

 あの上品な下重さんが不良!?と思って手に取ったのですが、この本での「不良」というのは「型にはまらない」という意味であり、かつそういう意味での「不良老年」たるべき方々に向けて書かれたモノなようです。

 

 「不良老年」たるためには、過去の立場や栄光を振りかざしたりするのは論外でしょうけど、だからといってミョーにモノ分かりがよくなったフリをするのもまた不自然ですし、自然にある程度自身のやりたいことを思ったようにできるような環境が、ナットク感の高い生き方だといえるでしょうし、周囲に毒をまき散らすような老人になるのもどうかとは思いますが、そのためには多少煙たがられるようなことも厭わない方が思い通りになることが多いんじゃないかとおっしゃられています。

 

 それは恋愛についても同様で、こんな齢で…なんて思わずに、自分が自分らしく居れるためには、そういうところも排除すべきではないと語られていますし、いつまでもカッコよく生きるためには、結構不可欠な要素なのかも知れません。

 

 いくつになっても、何らかのカタチで自分に誇りを持てることが重要でしょうし、そういう意味で「不良老年」というのは理想的な齢のとり方なのかも知れません。