国際化途上国ニッポン/ケント・ギルバート

 

 

 最近は右寄りの著書が目立つケントさんですが、この本はテレビによく出演されていた20数年前の著書で、日本の国際化について語られたモノです。

 

 この本出版された1998年の時点ではそれほどではなかったモノの、その10年前後前には、今の中国程とは言わないまでも、アメリカにとって日本はかなり鬱陶しい存在で、日本は必死になってアメリカにしっぽを振りながらも、同時にアメリカの気に障ることをして、目の上のタンコブだったことを覚えている人がどれくらいいるでしょうか…

 

 いいのか悪いのかわかりませんが、最近は害にならなくなったこともあって、随分と日本への理解も進んできた気がしますが、この本では日本および日本人に自分のことを理解してもらう努力をしないと、世界中から総スカンを食らうよ!という警告をされています

 

 特にケントさんの出身地であるアメリカとは多くの側面で真逆とも言える価値観を持っているということもあって、軋轢の元となるので、相手に配慮するとともに自分の価値観を理解してもらう努力が必要だとおっしゃいます。

 

 対立する価値観として、11のトピックを取り上げておられて、タテvsヨコ、集団vs個人といったありがちなモノなのですが、身をもって軋轢を体験してきたケントさんだけに、実感のこもった内容となっています。

 

 グローバル化が進展したが故に理解してもらえる部分と周囲に併せるようになったこともあるでしょうが、そういう相互理解の重要性も増しているでしょうし、ロシアのように暴走しないようにも、こういう相手との差異の理解が、国際化の第一歩なのかも知れません。