クール・ジャパン!?/鴻上尚史

 

 

 マイブームの比較文化論的な著作の紹介が続きます。

 

 この本は鴻上さんがMCを務められているNHK BS1の人気番組『Cool Japan』で紹介されたエピソードを中心に、日本に来られた外国人の方が賞賛される日本の文化や習慣、技術などを紹介されています。

 

 昨日紹介した『イギリス発日本人が知らないニッポン』で見られる日本像があまりにも悲惨で強烈だったもので、この本を読むと多少癒される部分はありますが、昨日の印象が余りにも強烈で、日本の番組なんだからムリヤリ言わせて自己満足にひたってるだけなんじゃないの!?とかスネた想いを抱いてしまうのですが…

 

 冒頭で「外国人が見つけた日本のクール・ベスト20」ということで、番組の周年記念のアンケートでまとめられた、印象的な日本での事象を紹介されているのですが、日本人が自慢したがる、サブカルやハイテク、お・も・て・な・しといったことよりも、こんなモンがササるのか!?というモノがウケていることが多く見受けられ、アイスコーヒーだったり、コンビニ飯だったり、ママチャリだったり、シャワートイレだったりと、ちょっとした工夫でかなり自分の生活が便利になるといったことを日本人が特にしている場面が多いようで、そういう部分に師事が集まっているようです。

 

 まあ、この番組では日本の習俗などをただただ礼賛しているばかりではないということで、『「空気」と「世間」』など鴻上さんが何冊かこのテーマで著書を出版されている「世間」にまつわる不合理などについては、キチンと否定的な評価をされていて、そこはフェアなところだな、と感じます。

 

 ワタクシ自身、コロナ禍突入直前に通訳案内士の登録をして、コロナ禍が終われば資格を活用した活動をしたいと思っていますが、日本に居る/来る外国出身の型に取って、どういうモノが喜ばれるのかということを紹介されているのは大変有意義な内容でした。