子育ての経済学/ジョシュア・ガンズ

 

 

 オーストラリアの若手経済学者が経済学の知見を子育てに適用しようとした取り組みを紹介された本です。

 

 著者であるジョシュアさんは、学生に経済学を教える際に親しみを持ってもらおうと思って色んな例え話を使われていたということで、その中でも大学院生にバカウケだった子育てネタが出版社にまで波及してこの本の執筆につながったということです。

 

 出産から勉強をさせるようにするところまで紹介されていて、そんな中でトイレのトレーニングや眠らせたりする際に、経済学者だからということもあって子どもにインセンティブのオファーをしたということなのですが、ジョシュアさんの子どもが特別優秀なのか、子どもは割とそういう反応をするのか、思いもよらぬ対応で、ちゃっかりインセンティブをゲットしながらもジョシュアさんの意図したような動きにはならないというゼツミョーの対応で、こりゃ学生にウケるわ!?と思いますし、子育て世代にとっても役に立つのか立たないのかよくわかんないですが、子育てあるあると感じてクスッと笑えるかもしれません。

 

 巻末に『スタバではグランデを買え!』で知られる吉本佳生さんが巻末に解説を寄せられていて、子育てにおける行動経済学的な要素について触れられており、必ずしも経済学的な知見が子育てに役立つワケではなさそうなのですが、「子育てが、経済学の考え方を学び、そのセンスを磨くのにピッタリの機会であること」にこの本が気付かされてくれると評価されているのが言い得て妙だな、と思わされました。