多様性を楽しむ生き方/ヤマザキマリ

 

 

 『テルマエ・ロマエ』で知られる漫画家のヤマザキマリさんがご自身の経験を振り返って、「昭和」の頃の多様性

 

 ヤマザキさんはワタクシより1年後の生まれなんだそうで、ほぼほぼ同年代ということでヤマザキさんのおっしゃる「昭和」をかなりリアルにイメージ共有できるはずで、今なんかだと周囲のほとんどが勤め人であることが多いですが、ワタクシの子どもの頃なんかは商売をしている人がいたり、職人みたいな人がいたりとかなり雑多な人が周囲にいた覚えがあり、今周囲に居たらなかなかヤバい感じの人がフツーに親の友達として家に出入りしていて、自分自身もなついていたような記憶がうっすらとあり、いろんなバックグラウンドの人たちと自然に接していたような記憶を思い起こさせられます。

 

おそらくこの本でヤマザキさんがおっしゃる「昭和」の多様性というのは昭和40年代から長く見積もってモ50年代あたりまでを指しているとおもわれ、その後は段々と大学に行って、いい会社に入ってといった価値観がハバを利かせるようになるにつれ、人生経験の幅も狭くなり、何か多くの日本人の人間としての面白みも減って行ったんじゃないかという気すらします。

 

 まあ、あの時代に子どもの時期を過ごしたからと言って、ワタクシもヤマザキさんのようにダイナミックな生き方をしているワケではないですし、この時代でもダイナミックな人生を送る人はいるワケですが、何かそういう確率が減って行っているにつれて日本の国力も衰えて行っている気もして、ああいう時代の雑多な空気というのが日本の活力を作っていたのかも知れないなぁ、という気がした次第でした。