80歳の壁/和田秀樹

 

 

 

 この本で提唱されていることは、ガンの標準治療を否定し、保存治療を提唱したことで物議を醸した近藤誠さんとの対談本『やってはいけない健康診断』で語られている内容と被る部分が多く、過度の医療依存が却って老化の不安を煽ってQoLを低下させている側面を指摘されています。

 

 和田さんが勤務されていた浴風会病院は、身寄りのない高齢者の救護施設として開設されたこともあって、亡くなられた方の解剖をされていたということで、和田さんご自身も高齢者の解剖をされていたということなのですが、高齢者の大半が生前に診断されていなかったにも関わらず、ガンや認知症の形跡が見られたということで、症状がでる/でないに関わらず、多くの人は病巣を抱えているということです。

 

 ということで、どっちにしろ病気は「ある」ワケで、医者というのは病気を見つけたら治さなくては気が済まない人たちなので、病気があることをハッキリさせないために、リタイアしたら健診は受けない(笑)ことを勧められていて、どうしても調子が悪くなってから、必要最小限の治療だけ受けるようにする方がいいということです。

 

 この本では高齢者を「幸齢者」とされていて、好きなモノと好きなだけ食べて、好きなことをすればいい、とおっしゃっておられて、変にガマンをして楽しくないのに長く生きるくらいなら、好きなことをして多少短くても楽しい人生を送る方がいいんじゃないですか!?ということなんですが、個人的には和田センセイのおっしゃることに全面的に賛成です。

 

 ということで、長生きよりもシアワセに生きることを主眼に置く方が、ずっとナットクの行く人生だと思うのですが、如何でしょう!?