ブラックバイト/今野晴貴

 

 

 ブラック企業というコトバを世に知らしめることになった『ブラック企業』の執筆で知られ、NPO法人POSSEブラック企業で苦しめられている人たちの救済を手掛けられている今野晴貴さんがアルバイトのブラックな状況を紹介された本です。

 

 この本が出版されたのが2016年でかなり人手不足が深刻だった時期ということもあり、かなり学生アルバイトの囲い込みというか、如何にして安い時給で辞めさせないようにするかということに企業側が腐心していたということで、かなり阿漕なことをしています。

 

 それも中小のどこだかわからない企業ではなく、ファミマ、セブンなどの三大コンビニだったり、個別指導塾の大手明光義塾だったりという誰でも知っているような企業が学生に対して半ばサギや脅迫みたいな手段を使って、安い時給で使い倒しているようです。

 

 あまり権利意識や労働法や契約などの知識が乏しい学生に、ロクに契約内容も説明せずに、当初に約束した時給や勤務場所すら守らず、あちこち使いまわして、社員と同じような責任を伴うような仕事を押し付け、過酷なシフトを強いて、辞めようとすると契約期間をタテに、本来要求できない多額の損害賠償を払えと脅したり、自宅に押し掛けたりと、ヤクザと変わらないことをしているようです。

 

 しかも、マジメな学生をターゲットにミョーな責任感を押し付けて、シフトをやたらと増やしたり、商品販売などのノルマに到達しなければ、無理やり買わせたりということも多発しているようで、そういうことをもっと世間が知るべきだと思うのですが、マジメな学生たちは抱え込んでしまって、挙句の果てにはカラダを壊したり、あまりにバイトに詰め込まれた結果、卒業ができなくなってしまったりするようです。

 

 そういう場合に備えて、ブラックだと思ったら相談できるところを認識しておくことが重要なようで、アルバイト向けの労働団体である学生ユニオンなどに相談すれば、労働条件の改善などにつながったケースがあるようで、困ったら駆け込むところをしっかりと認識しておくことが必須なようです。

 

 ウチの長女も今年から大学生になって、結構バイトに行っていますが、こういうリスクと対応策を親としてもしっかり認識して、いざという時にアドバイスができるように備えておかなければいけないと、改めて認識させてもらいました。