少年サッカーは9割親で決まる/池上正、島沢優子

 

 

 Jリーグのチームなどでジュニア世代の育成を手掛けておられた方が、サッカーをしている子どもを持つ親の悩みに答えるようなカタチで構成された本です。

 

 サッカーに限らず、子どもにスポーツをさせていると、親が暴走したり、試合になかなか出してもらえなかったり、チームメイトに問題児がいたりと、とかく問題が発生して、そのたびに親としても何かと口を出してしまいたくなってしまう所ですが、そういう親の態度がいろんな意味での子供の成長を阻害してしまうことになるということを、全編において強調されていることが印象的です。

 

 プロ選手も多く見られてきた池上さんが、親やコーチに言われてやって一流になった選手はいない、と断言されているように、結局は自分で気づいて、自分なりに課題を見つけ、自律的にトライアル&エラーを繰り返していくことでしか、真の意味での成長はないでしょうし、サッカーに限らずスポーツでは自律的な判断を求められることが多々あるはずなので、そういう自律的な姿勢を身に付けるよう促すことが、そのスポーツにおける上達につながるのでしょうし、スポーツのみならずその後の人生において豊かな教訓を得ることにつながるんだと感じます。

 

 そんな中で親ができることというのは、そういう自律的な成長を促すように背中を押すしかないんでしょうし、子どもが楽しんでスポーツに取組んでいれば、大概のことはそれでいいんじゃないの!?という姿勢は共感できます。

 

 まあ、とかく親としては子どもに過大な期待をしてしまいがちですが、グッとこらえる姿勢が子どもの成長につながるのかも知れませんよ!?(笑)