安倍官邸の正体/田崎史郎

 

 

 「正体」なんてタイトルを見ると安倍官邸の隠された悪事のバクロ本かな!?と思ってしまいますが、何せ著者は、安倍元首相に寿司をごちそうになったことを自慢して”スシロー”と揶揄されるようになった安倍官邸御用ライターの田崎氏なんで、あとがきでいいワケをするくらいの礼賛一辺倒だったりします。

 

 この本が出版されたのが2014年で第二次安倍内閣が発足して1年程度なんで、まだモリカケや桜の会なんてスキャンダルもなく、安倍シンパの田崎氏が書いていることを割り引いても、長期安定政権の兆しを思わせる組織運営の安定性を感じさせるモノとなっています。

 

 というのも、この本は第一安倍内閣の”失敗”を踏まえた官邸の体勢づくりについて触れられているのですが、ご自身の体調管理もさることながら、官房長官首相補佐官の密な連携を取り、ある程度情報をコントロールできるような体制を整備して、ある程度政権運営の安定性が見られていたようですが、後々そういう体制が逆に腐敗の元となってしまうのは、ある程度仕方のないことなのでしょうか…

 

 確かにそれまでコロコロと首相のクビがすげ変わり、外交の安定性や政治の継続性に懸念が投げかけられており、安倍政権における外交面での貢献は否定し難いですが、どうしても腐敗とのトレードオフになってしまうんですかね…

 

 まあ、そういうヨイショはいいとして、政治のメカニズムみたいなものを垣間見れるくらいのメリットはありますが、アンチ安倍のワタクシとして読んでいてかなりバカらしくなってしまうことは否めませんでした。