サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法/池上正

 

 

 先日『少年サッカーは9割親で決まる』を紹介した池上さんの著書が他にもあると知って手に取ってみました。

 

 先日の著書では、サッカーをプレーするお子さんを持つ親の悩みに答えるというカタチを取られていたのですが、この本では池上さんがYMCA~ジェフにおいて培った経験を元に、子どもを伸ばすという観点で、どういう風に育てるかということを語られています。

 

 特に強豪チームはそういう傾向が強いと思うのですが、勝つことにフォーカスしすぎて、あまり選手の成長について、特に人間的な成長についてあまり念頭に置いていないんじゃないかということが多いようですが、池上さんはむしろ選手の人間的な成長を経てサッカーのスキルが向上し、結果として勝利につながるといったプロセスを考えておられるようで、遠回りに見えて実はその方が結果が残ることも多かったりすることにも言及されています。

 

 特に小学校の低学年など年少層の指導経験が豊富な池上さんが強調されているのが、まずは楽しんでサッカーに取組めるような状況を作ることが大事だとおっしゃっていて、楽しくサッカーをしているうちに、勝利の楽しみを味わったり、さらにはどうやったら上手くなれるのか、強い相手に勝てるようになるのかということについて、トライアル&エラーで取組、そこで成功体験を得ることによって、より高みに達するということで、サッカーに限らずその後の人生においても、そういうプロセスを経験することが得難いモノとなるということです。

 

 そう促すにおいて、周囲のオトナがキモに銘じておかなくてはいけないのが、先回りしてお膳立てをし過ぎないということだというのが、ワタクシ自身も自分のムスメたちに対して思い当たるフシがあって耳がイタイところですが、かなりナットク行くところであります。

 

 いきなり命に係わる失敗は確実に避けるように先回りも必要かもしれませんが、サッカーの失敗なんてそんなことは頻繁にないでしょうし、あまりに”失敗”を避けさせようとするとお膳立てがなければ何もできない、指示待ちの子どもになってしまうと警告されています。

 

 前作でもそうでしたが、子どもが伸び伸び楽しんで、人格を向上させていければ、別に多少結果が残らなくても十分じゃないですか!?とすら思ってしまいますね!(笑)