サッカーで子どもがみるみる変わる7つの目標/池上正

 

 

 

 昨日に引き続きジェフなどでジュニアの育成を手掛けてこられた池上さんの著書です。

 

 「7つの目標」とされていますが、まあ切り口を変えただけで、あまりここにおっしゃっていることは変わりません。

 

 ジェフにおられる時に、あのオシムさんとも交流があったようで、冒頭でオシムさんが「スポーツとは育てるもの」というオシム語録のひとつを取り上げられていて、特に足でボールを扱うサッカーというスポーツが、子どもが人として成長することを促す最高のスポーツだということを指摘されています。

 

 で、そういう子どもの成長を促す上で一番の障害となっているのが、やはり周囲のオトナなんだということを改めて指摘されています。

 

 昨日紹介した『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』が大きな反響を呼んで、池上さんの方法論を実践しようとする指導者も多々あったようで、池上さんご自身も立ち会われたことを紹介されていますが、得てしてなかなかうまく行かない原因がやはりオトナだったようです。

 

 というのも子どもが自分で気づいて行動をするまでには、ある程度のプロセスと時間がかかるようで、それをオトナが待てない…結局は元の木阿弥になってしまうことが多いということで、キチンとコトをこなすことを優先してしまって、子どもの成長を蔑ろにしてしまっていることに気づかないことが多いということです。

 

 また、スポーツの指導でも知られる脳外科医の林成之先生の『<勝負脳>の鍛え方』に言及されていて、キビシく叱責するとされたほうの脳は本能的に自衛機能が働いて、次第に叱責をする相手のコトバをスルーするようになる機能があるということで、ガミガミいうことで、結局は却って話を聞いてもらえなくなるということを聞いて、青ざめる親御さんや指導者の方々はきっと少なくないことでしょう…(笑)

 

 ということで、如何に子どもが自律的に育つことが重要かということを、改めてワタクシたちオトナは肝に銘じるべきなのかも知れません…