才能の正体/坪田信貴

 

 

 先日紹介した『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』にいたく感銘を受けた『ビリギャル』の坪田センセイの2018年の著書を手に取ってみました。

 

  『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』が子どもの才能の開花を阻害しかねないオトナの言動という部分にスポットが当たっていたのですが、この本ではそもそも「才能」って何なんだ!?ということから語られていて、如何にすればそれを伸ばしていけるんだろうかということを語られています。

 

 そもそも多くの人は「才能」を結果から語る人が多いと思うのですが、坪田センセイは必ずしもそういう風には考えておられないようで、如何に成長するかという所に重きを置かれているようです。

 

 似た概念に「能力」がありますが、「能力」というのは努力を重ねた結果、できるようになったことというイメージですが、「才能」というのは「能力」の中でも生まれながらに持っていた資質を磨いた結果、他の人と比べて「尖って」見える能力だということで、坪田センセイ自身はすべての人に少なくとも「才能の芽」は備わっているはずだということで、如何にそれを伸ばすかということが「才能」を発揮するかということに他ならないということです。

 

 よく言われるように才能を見出すことも重要なのですが、多くの場合、ある事象を継続すればある程度以上に習熟するということもあって、見出すことよりも「継続」することが重要であり、その時に大きな影響を及ぼすのが周囲のコトバであり、多くの場合、良かれと思ってかけたコトバがやる気をなくさせる要因になり、結局は「才能の芽」を摘んでしまうことにつながるということです。

 

 とは言いながら、放っておかれるとそれはそれでやる気がなくなってしまうということですし、人間は周囲からのフィードバックが何よりのモチベーションのタネだということもあって、フィートバックが重要なのですが、これがなかなかにムズカしい…

 

 いわゆる指導というのは、多くの人が思い当たるフシがあると思うのですが、良かれと思って言ってくれていることであっても、上から目線にイラッとしたりした記憶が一度はあるはずで、余程の信頼関係がない限り、「指導」は「継続」の阻害要因になることの方が多いということです。

 

 ということで、坪田センセイがススメられているのは、達成した状況をプレーンにフィードバックすることだということで、そうすることで自分なりに次への課題などを見出して、さらなる取組につながるということです。

 

 ということで、よく言われる「やる気スイッチ」も実体のないモノだとされており、フィードバックで、内発的なモチベーションにガソリンを注ぎ続けることで「才能」を伸ばしていけるのかも…周囲のオトナがイランことを言わなければね!(笑)