お金でわかる!ザワつく!日本の歴史/本郷和人

 

 

 昨日に引き続き本郷センセイの小中学生向けの日本史本です。

 

 今回は歴史上のおカネに纏わるトピックを紹介されていて、装丁は小中学生向けになっていて、記載の内容もターゲットに合わせて易し目の記述なんですが、内容自体は割と歴史に詳しいオトナでも、ホーっと唸るようなモノが含まれています。

 

 例えば、戦国時代に1万人の兵を1カ月動員しようと思ったら兵糧だけで何と1億5千万円ものコストがかかるということで、戦争というのはやはりおカネがかかるんだということを改めて痛感させられます。

 

 また加賀百万石として知られる前田家が参勤交代の片道にかかる費用が6億4千万だということで、如何に過重な負担だったかが理解できます。

 

 といったような感じで様々なトピックがおカネを交えて語られることによって、現代との比較など、歴史と自分のキョリを測りながら理解できるということもあり、こういうキッカケで興味が湧くこともあるかも知れませんし、何よりも歴史を人間の生活の積み重ねとして捉えることで、文献の解釈偏重によるムリな歴史の解釈を防ぐという意味もありそうで、こういう分野での歴史の研究が進めば、よりプレーンな歴史の理解が進むんじゃないかという気もしますので、個人的には是非ともこういう研究が進んで行けばいいなぁ、という気がしています。