PUBLIC HACK/笹尾和宏

 

 

 最近は公園でもボール遊び禁止のところが少なくないということで、今の子どもたちはどこで何をして遊んでるんだろ!?と不思議になって、かなり不憫な気がしますが、この本では主に都市部で、公園や道路など公的な施設を如何にウマく使って、都市を活性化させ、発見に満ちた刺激的なモノとするか、ということを提唱されています。

 

 モチロン、他人の迷惑にならないようにということと、危険なことが禁止されるのは合理的だと思うのですが、最近は子どもがちょっと大きな声を出しているとそれだけで通報されて…ということになって、行政側としてもそういうメンドーがあるんだったら…ということで、法的な根拠が希薄であるにもかかわらず禁止を積み重ねて、公的な施設がただ単に通るだけの無味乾燥なモノになってしまいがちなようです。

 

 そんな中で如何に公的施設をオモシロく使い倒してみようかということを提案されていて、野宿をしようとか、オープンディスコをしようとか、それ通報されるんじゃないの!?というのも含まれているのですが、外でちょっとテーブルを置いて軽く飲んでみようか、などちょっとマネしたいモノも数多く紹介されています。

 

 そういうある意味斬新なことをする場合、根拠法規などをチェックしておいて、法令に触れないことを確認しておくこともモチロン、警察としては法的な根拠がなくても通報されるとヤメさせざるを得ないという事情もあるようで、とにかく通報されないよなカタチで実行するようなモノを勧められています。

 

 また、行政や公共的な施設の運営者側に対して、何が何でも禁止ってやってしまうんではなく、実害が見込まれるモノだけに留めようなどと、利用者のメリットや活性化といった側面を重視した運用を求めており、実際にそういう方針で運営されている施設の成功例も紹介されています。

 

 せっかく作った魅力的な施設が単なる通過点になってしまうのもモッタイナイですし、できるだけ自分の周辺に魅力的な場所が増えていくことで、住民の満足度を向上させていくのも行政のオシゴトなんじゃないかと思いますが如何でしょう!?