ざっくりわかる8コマ人類史/更科功、木下晋也

 

 

 先日『ざっくりわかる8コマ哲学』を紹介しましたが、シリーズものみたいで、人類史が出てたので手に取って見たのですが、今のところ哲学と人類史しかないのですが、この構成ってどういう意図があるんだろう…

 

 あまり人類史というジャンルを意識したことが無かったのですが、人類の種としての進化の過程を扱った学問のようで、そういえば少し前に『ホモサピエンス全史』が一世を風靡しましたが、この本ではホモサピエンスが登場するのが最後の方になるので、カバー範囲はホンの少ししか被らないようです。

 

 冒頭でヒトの「進化」について、ついつい人類は他の動物と比較した優越みたいなイメージで考えがちですが、そういう意味ではなく、その種が置かれた環境において生き延びていくためにフィットしていく過程を「進化」というのであり、ヒトはその進化の過程で二足歩行になったが故に、足が遅くなったという側面があり、その代わりにそれを補うような様々な特徴を手に入れて生き延びてきたということで、「進化≠進歩」だということを繰り返し解かれています。

 

 ヒトが他の種と比較して、独自だというのが直立二足歩行だということで、二足歩行をする種はいるのですが、直立がくっつくとヒトだけの特徴となるんだそうで、そういったことも含めて、環境への適応の過程が描かれます。

 

 ヒトがここまで発展したことの原因として、「組織化」と「会話」によるコミュニケーションを挙げられていますが、かなりざっくりな内容でありますが、気軽に読めながら人類の発展のキモのキモみたいなコアのところがよく理解できて、何気に深い本かも知れません。