病気にかかるお金がわかる本/畠中雅子、黒田尚子

 

 

 以前、堤未果さんの『沈みゆく大国アメリカ』を取り上げて、アメリカでは大病をすると貧困に直結しているというハナシを読んで戦慄しましたが、日本では国民皆保険制度がある程度機能しているのでアメリカほどではないにしても、昨今医療が高度化していることもあって、医療費が高騰しつつあるということもあり、思わぬ大病で経済的な苦境に陥る可能性は、ある程度の年齢になれば誰しもあり得ることだといえます。

 

 そういう危機に備えて、ある程度どういう病気だったらどれくらいのおカネがかかって、それに対してどういう風に治療費を賄うのかということを予め考えておくことで、慌てずに済むようにしようという主旨の本です。

 

 この本では主要な疾病ごとの治療費を紹介されていると共に、それに備えるための保険などを紹介されているとともに、それでもダメな場合の補助金などの方策まで紹介されていて、これ1冊あれば、なんとかシノゲるんじゃないかという気にさせられます。

 

 でもやはりそういった備えをするためには、ある程度事前の想定をしておくことが重要なようで、自分なりのシミュレーションをしておくことで、急病であってもいきなり経済的な苦境に陥る可能性は下げれるということを指摘されています。

 

 時折、ガンの告知を受けた人が会社を退職してしまうケースがあるということですが、ガン自体、仕事と治療を両立できるケースが増えていることと、会社に在籍し続けることで支援を受けれる可能性もあるということで、早まらないことが肝要だと忠告されています。

 

 そういう早まったことをしないためにも、事前に考えておくことは重要なようです。

 

 実はこの本の共著者である黒田尚子さんは、ワタクシの元同僚で彼女自身もガンを患ったということを伝え聞いて心配していたのですがしっかり回復されたようで、最近は著書を連発するほどの大活躍だということで一安心です。