妄想美術館/原田マハ、ヤマザキマリ

 

 

 元々画家を志していた『テルマエ・ロマエ』で知られる漫画家のヤマザキマリさんが『本日は、お日柄もよく (徳間文庫)』などで知られるベストセラー作家の原田マハさんとお気に入りの絵画について語られた対談をまとめた本です。

 

 原田マハさんは作家になられる前に美術館のキュレーターをされていた時期もあるということで、画家を志してフィレンツェの美術館に模写に通い詰めたというヤマザキマリさんとガップリ四つのアート談義です。

 

 ヤマザキマリさんがルネサンス美術、原田マハさんが印象派を中心にお好みだということで、お二方が館長となった「妄想美術館」を設立するという建付けで、俵屋宗達の『風神雷神図屛風』まで飛び出すといった破天荒さを発揮されます。

 

 個人的には憧れはありながらもなかなか踏み込めないアートの世界なんですが、お二方はかなり専門的なスタンスではあるモノの、アートの見方にルールはないということで励まされ、どこかなにか引っかかるところに着目すると、そこから何か発展していく可能性があるということで、個人的な観点はバカにできないようです。

 

 それにしてもやはりふとしたキッカケに美術館にフラッと立ち寄るような気軽さでアートに触れるということが人生を豊かにする側面があるということのようで、あれこれ機会を捉えてアートに触れてみようかと思わせるモノでした。