禁断の中国史/百田尚樹

 

 

 割と右寄りの論客とされることの多い百田さんが語られる中国史ということで、中国のダークサイドを中心に扱ったモノです。

 

 扱うテーマとしては、虐殺だったり、刑罰、食人、謀略とおどろおどろしいモノが並んで、ついついワタクシなどは夜寝る前に読んでしまって、悪夢にうなされないか心配になったほどですが…

 

 伝統的に中国では皇帝などが臣下の逆心を疑って謀殺することや、女性に纏足を強いた時期があったことや、長く人肉食の習慣があったということで、おおよそ性善説を信じがちな日本人の感覚とは相いれないモノがあるということで、日本人に中国への嫌悪感を喚起するために書かれたんじゃないかと勘繰りたくなるほどですが、百田さんは、中国とつき合う際にはこういう性癖を前提として考えるべきで、日本人のように中国の知性に心酔することの危険性を叫んでおられますが、百田さんがこういうことを言いだすと、ワタクシとしてはついつい眉にツバをつけたくなりまして、こういう謀殺や策謀は西欧諸国でもフツーに出てくるもので中国特有のモノではないでしょうし、モチロン日本にも中国程のスケール感はないにせよ、ある程度似たような現象はあるワケで、排外的な思想が見え隠れしてあまり気分の良いモノとは思えません。

 

 ただ、日本が中国や西欧諸国に比べるとウブなのは間違いないでしょうから、こういう民族的なベースを成すダークサイドをアタマに置いた上でつき合うことは重要なのかも知れません…