「80歳の壁」は結局、免疫力が解決してくれる/和田秀樹

 

 

 『80歳の壁』が大ヒットした和田センセイの最近の著書は、何匹目かのドジョウを隈なく拾うモノばかりが目立ちますが、この本も露骨にソッチ狙いのようです。

 

 ただ、この本そういう高齢者狙いだけではなく、コロナ禍をキッカケとした極度な衛生管理に警鐘を鳴らすモノにもなっており、もっと広い世代に対してアピールすべきモノではあるのですが、和田センセイの発案なのか、編集者のサモしい売らんかな根性なのかこういうタイトルになっています。

 

 小さい子供とかが、多少不潔な感じのする環境で育った方が強く育つということを経験則で感じている人も少なからずおられるかも知れませんが、コロナウィルスへの罹患を避けるためにかなり厳格な感染対策で、マスクや消毒の励行によってかなり免疫機能が低下し、そのことが原因で重要な疾患となる人が少なからずおられるようです。

 

 特に高齢者は免疫機能が低下している人が多く、そういう感染対策や自宅に引きこもりがちなことも相まって、かなり危険な状況に置かれている可能性が高いようで、一刻も早く外出して日光を浴びるなど、ある程度積極的な生活をすることで、免疫機能を取り戻すことが喫緊の必要性があるということです。

 

 さらには、人と人との交流も免疫機能の維持に重要だということで、コロナ禍の各種の感染防止という対策は、コロナの感染防止自体には役立つのかも知れませんが、それ以外の体調管理にはかなり深刻な影響を及ぼしているということで、そういうバランスを考慮に入れた感染対策と言うことに移行して行かなくてはいけないようです。