14歳からのSDGs/水野谷優

 

 

 ユニセフなど国連を中心とした国際機関の方々が、中学生くらいの年代をターゲットにSDGsの概要と、それくらいの年代でも取り組めるヒントを紹介した本です。

 

 SDGsには大きく分けて17の分野の目標で構成されていて、

  第1階層:生物・環境圏のSDGs

  第2階層:社会圏のSDGs

  第3階層:経済圏のSDGs

  頂点:すべてに共通するパートナーシップ

という4階層で構成される「SDGsのウェディングケーキモデル」として提示されていて、それぞれの目標についての概要と我々がそれぞれ取り組める活動について紹介されています。

 

 SDGsは既に日本においても政府主導で広く社会で膾炙されているようにも思えますが、特に日本ではジェンダーに関する目標が遅々として進まないという現状があり、各国でもなかなか進みにくい分野があると思うのですが、こういうところは既存の社会環境を根底から覆すような勢いが必要とされると思えるところもあって、なかなか進めるのはムズカしいんじゃないかと、尻込みしてしまう部分があるんだと思います。

 

 ただ、そういう「思い込み」というのは、我々オトナが既成概念に雁字搦めになってしまっているからという要素もあり、中学生くらいの世代が自由な発想で取り組むことでブレイクスルーになるんじゃないかという側面もあり、おそらくそういうことを期待してこういう本を作っているんだと思えます。

 

 厳に、15歳だったグレタ・トゥーンベリさんの活動が世界的な広がりを見せているのは周知のとおりですし、哲学者の斎藤幸平が『人新世の「資本論」』で警鐘を鳴らされていたように、これまでの経済的な拡大を継続して行けば地球環境が破滅して行くことは間違いないワケで、そういう危機感を認識すれば、既成概念何て言ってられずに行動せざるを得ないということになるのでしょう…

 

 我々オッさん、オバはんも子どもたちに負けているワケには行きませんよね!?