教養の語源英単語/清水建二

 

 

 長らく”知の怪人”佐藤優さんを輩出したことでも知られる名門浦和高校で教鞭を取られつつ英語学習についての本を数多く執筆されていた方が、語源を世界史と絡めて学習するという画期的な学習法を紹介した本です。

 

 割と英単語の学習では語源と絡めて覚えやすくして学習する方法を推奨した英単語学習本は度々出版されてきた記憶があって、それだけでもある程度学習効果は上がるはずなのですが、その語源を歴史的な背景と絡めるということで、世界史への関心も喚起するという一粒で何度もオイシい学習法というのはかなり秀逸な方法論と言えると思います。

 

 特にただ単に英単語の意味するところを学習するだけではなく、歴史的な背景を知ることで、ニュアンスみたいなモノも把握できるということもあって、実際にそのコトバを使う際にも日本人が陥りがちな選択のミスというものを減らすという利点もあると思います。

 

 そういう実用的な側面だけではなく、トリビア的な楽しみもあって、スポーツメーカーのナイキはギリシャ神話の女神ニケ(Nike)にちなんでいるとか、実は英語の語源が日本語にも影響しているということでカバを河馬と表記するのは、カバの英語であるhippopotamusはhippo(馬)+potamos(川)と言う構成となっているところから来ているということで、読み物としてもオモシロいモノとなっています。

 

 この本は手元に置いておいて、何度も辞書的に読み返して血肉化したい気がする本です。