メンタルを強くする食習慣/飯塚浩

 

 

 

 ご専門は精神科なのですが、食事療法を取り入れられて、精神的な疾患だけではなく、アトピーなどの治療にも取り組まれていて、鳥取県という決してアクセスがいいとは言えないロケーションにも関わらず全国から患者さんが押し掛けるというクリニックを主宰されている方が語られる食事法についての本です。

 

 そういえば、日本の医療というのは栄養学に関する知識が決定的に書けていると、和田秀樹センセイが、ガンの保存療法で毀誉褒貶のあった近藤先生との対談本で語られていたのを思い出しますが、食事がこれだけ人間の心身に影響を及ぼすのか!?ということに、この本を読むと驚かされます。

 

 モチロン、この本で紹介されているような食事を摂ればメンタルキングになれる!というワケではないと思うのですが、ニワトリが先かタマゴが先か、的な議論ではあるのですが、ストレスと食べるモノというのはかなり密接な関係があるようで、甘いモノやアルコールに留まらずゴハンまでも、過剰摂取がメンタルにも深刻な悪影響を与えますし、メンタルの不調がこれらへの依存症をもたらすということがあるようです。

 

 ということで、一時期このブログでも盛んに取り上げた糖質制限であったり、テニスのトッププレイヤーであるジョコビッチ選手のグルテンフリーといった食生活が精神医学的にも理に適っていることを説かれています。

 

 絶対食べちゃダメ!ということではなさそうなのですが、小麦や糖質を制限することで症状が改善する疾患というのが、精神疾患に限らず数多くあるようで、そういう意味でもやはり栄養学の知識が豊富な医師というのはかなり貴重なようで、日本の医学界でも速やかにそういう啓蒙を図るべきなんじゃないか!?と思わされた次第でした。