2019年出版の『ケーキの切れない非行少年たち』が大きな話題をまいた児童精神科医の宮口幸治さんが、よかれてと思ってついついやってしまいがちな子どもへの声掛けが思わぬ反応をもたらしてしまうことを紹介されて、どうやれば子どもが「やる気」を出してくれるんだろう、ということを紹介した本です。
「勉強しなさい!」って言ったら、「今やろうと思ってたのに!」とか「言われたからやる気がなくなった…」なんてリアクションを受けて、よりムカついて親子ゲンカになった経験を持つ方も少なからずおられると思うのですが、オトナが良かれと思ってかけた子どもへの一言が思いの他、子どものやる気を損なっているということで、じゃあどうすればいいんだ!?という処方箋を30のケースについて紹介されています。
基本的には間違いを指摘したりした時に、子どもがそういうリアクションをとってしまうことが多いようで、まずは子どもの心情に寄り添って見守ってあげているんだよ、ということを子どもに感じさせてあげた上で、どうすればいいのかを子どもに気付かせることができるように促すのが理想的な姿だということです。
例えば、はしゃいでコケてしまった時などに、「だから言ったじゃないの!?」とかって言ってしまいがちですが、そこを「痛かったねぇ…」とかという感じで、まずは子どもの心情の寄り添って、その上で、「気をつけようね」みたいな声掛けをするようなカタチだと聞いてもらえ易くなるようです。
逆に親が先生に言われてヘコむというパターンも取り上げられていて、親も結局自分の心情に寄り添ってもらいたいんだなぁ、ということを思い出して、子どもにそうしてあげましょう、とおっしゃられたいのかもしれません。