栗山ノート/栗山英樹

 

 

 以前、”旬”だったといこともあって、ついつい『栗山ノート2』から紹介してしまいましたが、ようやく本編を紹介することができました。

 

 ”2”の方がWBC編ということなのですが、こちらは日本ハムファイターズの監督時代のことを語られていて、元々病気が原因で早くに引退したこともあり、選手時代の実績がそれほどあるワケではない自身にコンプレックスもあったということを告白されていて、それでも自分より実績のある選手たちを指導していかなくてはならないということで、『四書五経』や『論語』といった古典などからそのヒントとなることを見出していったことを紹介していかれます。

 

 やはりプロ野球チームのトップたる監督というのは、最終孤独なもので、最後には自分が決めなくてはいけない(時々、コーチにある部分を丸投げする人もいるらしいですが…)ということで、周辺のコーチのプロフェッショナルな部分を最大限尊重しつつも、最終判断を責任をもってとるということを徹底されているということで信頼され、当時は育成のチームとして大谷翔平選手を始めとする名選手を次々と輩出して10年の長きにわたり監督を務められたことにつながったということです。

 

 さらには、古典からの教訓を活かすにしても、何か特定のモノに頼るのではなく、その場その場で最もふさわしいモノを自分の中の多くの引き出しの中から探してくると言った、アプローチでその思索のキビシさみたいなものも感じさせます。

 

 大谷選手を高校時代に指導した佐々木洋監督も、選手たちに目標の曼陀羅チャートを書かせたことで知られるように、思索を重視された方だったようですが、大谷選手は栗山さんの下でプロ野球の選手の第一歩を踏み出したことから、あれだけの実績を出すことになる基礎を築けたのだろうことを思うと、奇跡の出会いであったことが伺える本だと思えます。