山本由伸 常識を変える投球術/中島大輔

 

 

 2023年シーズンはオリックスパリーグ3連覇に貢献し、自身も3年連続最多勝、2年連続でパリーグの投手のタイトルを独占し、2024年からはメジャーリーグに活躍の場を移した山本由伸投手の活躍の秘訣に迫った本です。

 

 メジャー移籍の際にも身長178センチという、NPBにおいても小柄な体格を懸念する向きがあったようですが、当然NPBでのドラフトの際も同様に不安視して指名を見送る球団があったようで、そんな中でどうやって山本投手が日本を代表するピッチャーとなったのか、ということについて探られています。

 

 やはり体格面のハンディについては山本投手も思うところがあったようで、1年目終了後に元DeNAで現在ジャイアンツの下部組織でメジャーリーグを目指して奮闘中の筒香選手とともに自主トレーニングをした際に紹介されたトレーナーの方が勧める投球法が、日本で一般的に受け入れられている投球法のセオリーからするとかなりかけ離れたモノであるだけではなく、それまでの山本投手の投球フォームを根底から作り直す必要があるほどのモノであったにも関わらず、その合理性を自身で判断しフォームの変更に取り組んだことをキッカケに頭角を現し、2年目以降の活躍につなげ、日本を代表する投手へと成長するキッカケになったということです。

 

 かなりバクチに近い取組だったと傍からは見えるかも知れないのですが、山本投手自身が自身に不足しているモノをキチンと認識し、異端と見えるモノであっても自分に必要なモノだという確信があったからこそ取り組んだであろうことが伺え、その投球法を身に着けるためのトレーニング自体もかなり難易度が高いモノだったにも関わらず、着実に身に着けた努力と才能だけではなく、思考力と判断力という大きな要素があったからこその現在のステータスだったということがよく理解できます。

 

 こんな山本投手だからこそ、メジャーで一旦は苦境に陥ることもあるかもしれませんが、キチンと自分の問題点を克服して大活躍してくれることを大いに期待しています!