本の読み方/平野啓一郎

 

 

 芥川賞作家平野啓一郎さんによるスロー・リーディングのススメです。

 

 最早フォトリーディングの手法は使っていないとはいえ、ほぼ毎日1冊の書籍を紹介しているということもあって、この本はこのブログとは真逆の方向性を推奨されていて、速読を全否定されているワケですが、必ずしもワタクシ自身、この本の方向性に否定的なワケではありません。

 

 というのも、平均すると一日一冊強の本を読んでいるということで、速読をしている人、いやひょっとしたら本を読んでいる人のほとんどが、どこかに読んだ本の大事なところを読み落としているのではないか、という不安が払拭できないところがあって、こういう風な本の読み方に憧れる部分もあります。

 

 あくまでも、速読というのは情報を仕入れるといったスタンスであって、その情報が自分にとってどういう意味があるのかということを考えるには、本の中を行ったり来たりして、ギモンに思ったことの答えを探すということが必要なんだと思いますし、そういう答えを探すという作業が、思考力を高めるといった副産物もあるようです。

 

 この本では、スロー・リーディングのコンセプトや方法論だけでなく、夏目漱石の『こころ』や難解と言われることの多いカフカの『橋』などの古典だけではなく、金橋ひとみの『蛇にピアス』や平野さんご自身執筆の『葬送』などの作品について、具体的な「読み方」を例示されています。

 

 この本に共感するところは多々あるのですが、それで急にこのブログをたたむとか、投稿が週1回になるとかということをするつもりは今のところはないのですが、いつかこういう風にねっとりと1冊の本をしゃぶり尽くすということをやってみたいというのも正直なところではあります…(笑)